ふたりとも、足元がちぐはぐなのだ。翔琉は右足が、芽衣ちゃんは左足が、裸足だった。
そして、翔琉は左足に芽衣ちゃんは右足に、黄色のサンダルを片方ずつ分け合って履いているのだ。
翔琉は黄色のサンダルなんて持っていないはずだ。
だから、それが芽衣ちゃんの物だろうということは直ぐに予想がついた。
あいつら……なにしよるか?
オレは自転車から降りてストッパーを掛けると、うつ向いているふたりに声を掛けた。
「翔琉、芽衣ちゃん。なんで片方ずつ裸足ね?」
すると、ふたりは同時に弾かれたように顔を上げ、みるみるうちに泣きっ面になり、オレのところに駆け寄って来た。
「兄ィニィ!」
「結弦兄ィニィー!」
オレはしゃがんで小さなふたりを両腕で受け止めた。
「どうしたのさ?」
「兄ィニィ……」
翔琉はめそめそ泣きよるし、芽衣ちゃんは翔琉の手を握ったまま泣きたいのを必死に我慢し、下唇をむぎゅっと噛んでいる。
「翔琉、お前のサンダルは? どうしたのさ?」
島の昼間の地面は、裸足でのんびり歩けるような温度じゃない。履物を履いとっても熱いお湯で足湯しているような感覚になるほどだ。長時間歩いとったら、あわよくば火傷しかねないほど熱いのだ。
「これ、芽衣ちゃんのサンダルね?」
翔琉の右足の黄色いサンダルを指差して聞くと、芽衣ちゃんがこっくりと頷いた。
頷いた芽衣ちゃんからも、めそめそしよる翔琉からも、潮の匂いがする。
そうか、浜で遊んで来たのか。
「翔琉、サンダルは? なくしてしまったのか?」
翔琉はふるるっと首を振って、ただ泣いてばかりだ。
「もー、泣いていても分からんよー、翔琉」
仕方ないね、とオレはふたりをひょいと抱えて、デイゴの大木が影を落とした日陰に移動し大木の太い根に座らせた。
そして、翔琉は左足に芽衣ちゃんは右足に、黄色のサンダルを片方ずつ分け合って履いているのだ。
翔琉は黄色のサンダルなんて持っていないはずだ。
だから、それが芽衣ちゃんの物だろうということは直ぐに予想がついた。
あいつら……なにしよるか?
オレは自転車から降りてストッパーを掛けると、うつ向いているふたりに声を掛けた。
「翔琉、芽衣ちゃん。なんで片方ずつ裸足ね?」
すると、ふたりは同時に弾かれたように顔を上げ、みるみるうちに泣きっ面になり、オレのところに駆け寄って来た。
「兄ィニィ!」
「結弦兄ィニィー!」
オレはしゃがんで小さなふたりを両腕で受け止めた。
「どうしたのさ?」
「兄ィニィ……」
翔琉はめそめそ泣きよるし、芽衣ちゃんは翔琉の手を握ったまま泣きたいのを必死に我慢し、下唇をむぎゅっと噛んでいる。
「翔琉、お前のサンダルは? どうしたのさ?」
島の昼間の地面は、裸足でのんびり歩けるような温度じゃない。履物を履いとっても熱いお湯で足湯しているような感覚になるほどだ。長時間歩いとったら、あわよくば火傷しかねないほど熱いのだ。
「これ、芽衣ちゃんのサンダルね?」
翔琉の右足の黄色いサンダルを指差して聞くと、芽衣ちゃんがこっくりと頷いた。
頷いた芽衣ちゃんからも、めそめそしよる翔琉からも、潮の匂いがする。
そうか、浜で遊んで来たのか。
「翔琉、サンダルは? なくしてしまったのか?」
翔琉はふるるっと首を振って、ただ泣いてばかりだ。
「もー、泣いていても分からんよー、翔琉」
仕方ないね、とオレはふたりをひょいと抱えて、デイゴの大木が影を落とした日陰に移動し大木の太い根に座らせた。



