ビー、ビビ、と枕元でスマホが振動し、その音にはっと目を覚ました。
「……あぁーもぉー、誰ね」
ぶつくさと小言を言いながらも、手が勝手にスマホの画面をタップし、ラインを開く。画面には、見慣れたアイコンからメッセージが届いていた。
――今日ヒマかね?
課題手伝ってほしくてさ
もちろんタダとは言わん
父さんのタコライス付きさ
どうだね?
タコライスという文字が視界に飛び込んできた瞬間、眠気は完全に吹っ飛んだ。律の父さんが作るタコライスは、ピリリとスパイシーなひき肉とたっぷりチーズのバランスが最高で、島いちばんの絶品タコライスだ。
いいね。悪い話じゃないさ。
あさイチのメッセージの主は、親友であり幼なじみでもある喜屋武律からだった。画面の右上に表示されている時刻は、午前8時。かあぁーっ、と顎が外れてしまいそうなほどの大あくびをして、一気に上半身を起こす。
スマホを右手に握ったままベッドを抜け出し、窓辺に立って勢い良くカーテンを両サイドに引き開けた。
「うっ」
一気に差し込んできた7月の朝日はすでに強烈で、とっさに目を細める。両腕を上にぐぐーっと伸ばすと、もうひとつおまけにさっきよりも大きなあくびが出た。
洗濯をしたみたいに清潔に澄み切った青空に、少し流れの早い真っ白な雲。集落中のフクギの木の葉や、色鮮やかな花たちが南風に気持ちよさそうに揺れている。
昨日までの猛烈な台風がウソみたいに、穏やかな朝だ。
「いーやあ、晴れたねえー」
最上級にいい天気さ。
――仕方ないね
手伝ってやるさ
メッセージを送ると瞬時に既読になり、秒で返信が送られてきた。
――助かった!
さすが結弦だね
昼頃ウチに来れるかね?
OK、と、シュールなゴーヤーのキャラクターのスタンプを押した、ちょうどその時だった。
こつん、こつん、と部屋のドアがふたつ遠慮がちにノックされ、数センチほど開いたドアの隙間から、くるくると目を輝かせまだ寝癖のついた小さな頭をひょっこりと覗かせたのは、10歳下の弟、翔琉だった。
「兄ィニィ」
「……あぁーもぉー、誰ね」
ぶつくさと小言を言いながらも、手が勝手にスマホの画面をタップし、ラインを開く。画面には、見慣れたアイコンからメッセージが届いていた。
――今日ヒマかね?
課題手伝ってほしくてさ
もちろんタダとは言わん
父さんのタコライス付きさ
どうだね?
タコライスという文字が視界に飛び込んできた瞬間、眠気は完全に吹っ飛んだ。律の父さんが作るタコライスは、ピリリとスパイシーなひき肉とたっぷりチーズのバランスが最高で、島いちばんの絶品タコライスだ。
いいね。悪い話じゃないさ。
あさイチのメッセージの主は、親友であり幼なじみでもある喜屋武律からだった。画面の右上に表示されている時刻は、午前8時。かあぁーっ、と顎が外れてしまいそうなほどの大あくびをして、一気に上半身を起こす。
スマホを右手に握ったままベッドを抜け出し、窓辺に立って勢い良くカーテンを両サイドに引き開けた。
「うっ」
一気に差し込んできた7月の朝日はすでに強烈で、とっさに目を細める。両腕を上にぐぐーっと伸ばすと、もうひとつおまけにさっきよりも大きなあくびが出た。
洗濯をしたみたいに清潔に澄み切った青空に、少し流れの早い真っ白な雲。集落中のフクギの木の葉や、色鮮やかな花たちが南風に気持ちよさそうに揺れている。
昨日までの猛烈な台風がウソみたいに、穏やかな朝だ。
「いーやあ、晴れたねえー」
最上級にいい天気さ。
――仕方ないね
手伝ってやるさ
メッセージを送ると瞬時に既読になり、秒で返信が送られてきた。
――助かった!
さすが結弦だね
昼頃ウチに来れるかね?
OK、と、シュールなゴーヤーのキャラクターのスタンプを押した、ちょうどその時だった。
こつん、こつん、と部屋のドアがふたつ遠慮がちにノックされ、数センチほど開いたドアの隙間から、くるくると目を輝かせまだ寝癖のついた小さな頭をひょっこりと覗かせたのは、10歳下の弟、翔琉だった。
「兄ィニィ」



