白は根が優しい。
十六歳で御門流当主という重責から、常に厳しい態度とわざと強気でいるけど、本当は泣き虫で猫が大すきな普通の女の子だ。
かわいい。
《黒藤。歩きながらにやけるな。通報されるぞ》
通報……。
……要点しか喋らない無月が珍しく喋ったと思ったら、縁と同じことを言って来た。
……数年ぶりに白に逢えて浮かれているのは否定できないからなあ。
仕事柄、警察内部にも顔見知りはいる。
県警本部長を務める華取在義もその一人だ。
現状、俺が勝手に華取在義が小路一派の華取家の生き残りだと知っている程度だけど、いずれ接触する必要があるだろう。
俺は影小路の人間として、在義は華取の生き残りとして。



