さすがにちょっと傷付いた。
見た目も、白の好みでなければどんな容姿でも意味がない。
当代最強とかいうヤツだって、俺より強い奴なんてすぐ現れる。
いつまで俺がそれでいられるかわかったもんじゃない。
俺の見た目なんて白にとっては、無炎と無月そっくり程度の認識でしかない。
白は――御門流は――強さに固執する流派でもない。
強さが絶対の小路と違って、伝統を重んじる方だ。
白にとって強さは必要だけど、それほど意味のあるものでもない。
……ちょっと待て。俺の長所で、白に好かれる要素が欠片もない……。
「……百面相得意ねえ」
今度は項垂れた俺を、縁は呆れたカオで見て来る。
「ゆかりどの! おかわり!」
……涙雨は落ち込む主を見もせず、元気に三杯目を要求している。
……涙雨の食い扶持(くいぶち)の分も仕事しなきゃな。



