月華の陰陽師1ー朧咲夜、裏の真相ー【完】


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「黒ちゃん! ご飯食べるときは新聞読まないの! 行儀悪いよ!」


「今しか読む時間ねーんだよ」


「どこのオッサンよ!」
 

朝。学校に行く前、朝飯を食っているときに響く縁(ゆかり)の怒号。


無月は戦闘時以外は隠形(おんぎょう)しているから、今いるのは実質俺と縁だけだ。
 

縁は名前の通り縁(えにし)の妖異。


戦い向きではないから、常に人型を取って家の色々を取り仕切ってくれている。
 

今日はおふしょるだー? のシャツに、丈の短いズボン(しょーとぱんつ?)の格好で、見た目は俺より少し上に見られることが多いから、俺の姉ってことになっている。


普通の人にも見える縁だけは、ご近所さん対策にそういう関係性を名乗っている。
 

ちゃぶ台の上に広げていた新聞を縁にとられた。


姉って言うか母親だな。母親がどんなもんかよく知らないけど。
 

あ、母親は生きている。けど、会話したこととかの記憶はほとんどない。