「ううん。私はスマホいじってたから」
百合姫が文机にカップを置いてくれる。
「本当すきなんだな。だが、ほどほどにしろよ? 睡眠に影響出ると言うし、スマホ老眼というのも聞くぞ?」
「そうね……時間決めるとかしたほうがいいかな」
使いすぎに自覚があるのか、そんなことを言った。
「白桜、これなんて読むの? 名前?」
「ん? ああ、今の依頼者みたいなもんだ」
百合姫が、開いていた帳面(ちょうめん)に書かれた名前を指さした。
桃子からこれといった情報は得られなくて、冬芽から聞いた話を箇条書きしていものだ。
「かとり? へー、珍しいわね」
名前の読み方を教えると、百合姫からそんな反応があった。
珍しい?



