「…………」 「今度はなに?」 「……天音になんて伝えるか」 「……そうね。天音なら黒藤を寄せ付けないように塩撒きそうね」 「それほんとにやってたから」 小さい頃、黒がうちに来て帰ったあと、玄関だけじゃなくて家の周りにも撒いてから、俺の部屋に盛り塩をしていた。 「鬼に効くのってなんだっけ? 柊(ひいらぎ)と鰯(いわし)だっけ? ほら、節分でやるじゃない」