「ねえ、霧蒼?」
「なに?」
「明明後日、ヒマ?」
明明後日。
それは達也とのデートの日だった。
あの日、私が達也にデートしようと言えたのは、きっと晶人さんの存在よりも霧蒼の存在があったからなのかもしれないと、今は時々思う。
私の中で、晶人さんという存在よりも大きくなっている霧蒼は、いつでもいる保証のない不確かな存在でもあって、ここ最近の私はデートの後の身の振り方を考えていた。
晶人さんはきっと私が晶人さんだけしかいない、弱い私を望んでるんじゃないかと、私は常々感じている。
前は私も私がそんな存在になるのではないかと思ってた。
ずっと、晶人さんの用意した私専用の世界で生きていくのだと思ってた。
でも、きっと私はもうそんな美味しいだけの世界では満足できない。
「ねえ、僕の言ったこと覚えてる?そういうのは一週間前に言ってもらわなくちゃ、困るんだよ」
「そう言って、ヒマなんでしょ?」
「んなわけないじゃん。大体今日開けるために僕ここ二日寝てな………くない」
「寝てないのね」
「なっ、僕は東城のために徹夜なんてしない」
「ありがとう」
「うるさいっ」
思わずだったのだろう。霧蒼はその勢いでフライドポテトを口にした。
「なにこれ、油っぽすぎ」
「うん。じゃあ、明明後日は千円以上のところに行こうか」


