その日の夜はとても穏やかだった。
いつまでも眠れはしなかったけど、ずっと晶人さんが隣にいてくれて、とても安心できた。
晶人さんと私は恋人だ。
けど、口づけさえ交わしたことのないこの関係は、どこまでも優しい。
私の隣で晶人さんが今何を思っているのかなんて知らないけれど、私は一生この優しい関係が続いていくんだと思っている。
これは予感だ。
晶人さんが私をそういう風に求めることは多分ない。
私は目を閉じた。
別に眠くなったわけじゃない。ただ、視界はいらないと、そう思っただけ。
隣から聞こえる息遣い以外、私が求めるものはもうない。
私は今、このまま永遠の眠りにつきたいと、心のどこかで思ってるんだろう。
けど、偽善者は眠れない。
永遠に穏やかな夜に怯える良心の囚人であり続ける。


