透明人間の色




挨拶が終わって僕に向けられた拍手がとても遠いところで起きているような、そんな変な感覚がした。


「では、計画の最終確認をいたしましょう」

僕が座るやいなや、隣に立ったあの人はそう言う。僕は気取られないくらいの小さため息をついた。


これで、いい。
東城美香は正義なんかじゃなかったんだ。


「紫、お願いします」

「はい。では、お手元にある冊子の三ページからご説明いたします。まずはこの映像をご覧ください」


自分達のいる机に囲まれて、ぽっかり空いていた中央に、3Dの超立体の映像が現れる。

その明かりに照らせれて部屋が少し明るくなった。

僕はそれを少し見たが、早くも飽きて、改めてまじまじとあの人の右横に立って説明をし始めた男を見やった。


やはりこの男は“紫”、か。


紫がなぜ東城美香についているのか。理由は分からない。




そもそも、紫は東城美香が好きなのだろうか?