透明人間の色




あの人がそう高らかに宣言した。


第八回。活動の年月を考えればそれは決して多くはない。

この計画はあの人の一人息子霧蒼が生まれたことから始まった。

俺がそのメンバーに選ばれたのはその半年後。


俺は十三になったばかりの青臭い小僧だった。


あの人の誘い文句は今でも覚えている。

あれはケンカして土手で伸びていた時のことだった。
なんとなくこの乱れた血まみれの格好まま、祖母の待つ家に帰る気にはなれなくて、星なんて見えもしないのに俺は夜空を見上げていた。

けど、そんな俺の視界を遮るかのように、誰かが上から覗き込んできて、



“あなたから見たこの世界は綺麗ですか?”

と、変なことを言ってきた。



無視して立ち上がろうかと思ったが、思った以上に体の節々が痛くて戸惑ったのも覚えてる。

そして、仕方なく質問されたことについて考えた。

早く、どこかへ行ってしまえ。
正直そう思っていた。

多分、この人は世界の美しさとかそういうのを誰かと語りたい変人なんじゃないかと適当に見当をつけて、俺は言ったんだ。



“世界なんて、ゴミの集合体”