心の中で俺は呟いた。


「だから、・・・・・・・・・いつ体調を崩してもおかしくない。・・・・・・言っている意味分かるかな?」


「いつ、死んでもおかしくない。」


「・・・・・・・そぅ。でも、1年を越そうとしているということは魁音君の中で何か変化があったんじゃないか?生きる希望みたいな。」


生きる希望。


前ならそんなの無いって言ったかもしれない。


でも、頭の中に雫の顔が浮かんだ。


「生きる希望かはわかんないけど、やりたいことができた。」


「そうか。・・・・・それは大事にしないとね。じゃあ、私はそろそろ行きますね。なんかあったら言ってください。」


そう言って病室を出ていった。


母さんは下を向いたまま何も言わない。


「母さん?・・・・・大丈夫?」


母さんはハッとしたように俺を見た。


そして笑顔でこう言うんだ。


「大丈夫よ。・・・・・・ごめんね。魁音。」



はっきり言って、もう聞き飽きたよ。