歌い終わると私と魁音は息が上がってすぐに話せなかった。


「はぁ、はぁ。・・・・・ヤバい!!なんだこれ!!」


私は興奮して魁音の肩を掴んだ。


「俺も!!・・・・・はぁ、はぁ。やばいな、想像以上だ。」


魁音がそう言うとリクさんが入口から拍手しながら入ってきた。


「リクさん!そこに居たんですか?」


「あぁ。ずっといたよ。魁音が見てろって言ったからな。」


「それで、どうだった?」


魁音が聞くとリクさんがニコっと笑った。


「魁音の言った通りだったわ。雫、お前、すんげぇ武器持ってるぞ。」


・・・・・・・・・・・・武器?


「お前の声は、そのままにしていると枯れていく。このまま歌い続けばいずれすんげぇことになるぞ。」


枯れる?


凄いこと?


「・・・・・・良く、分かんないけど、すっごい気持ち良かった。」


「ふっ、まぁ、それでもいいか。気持ち良ければ良かったよ。魁音もだろ?」


「当たり前。・・・・雫のこと見つけたのは俺だから。」


自信満々に言い放った魁音。