「・・・・・ふふっ、うん!!やってくるよ!!ありがとう。」


するとリクさんは私のことを抱き寄せた。


私はびっくりしたけど、そっとリクさんの背中に触れた。


魁音がいなくなってから、リクさんが私を助けてくれた。


魁音がいなくなって不安定になった心も、歌声も、ギターも。


全部1から教えてくれた。


いつも励まして、怒って、笑って。


プロの契約を結べたのもリクさんのおかげ。


だから、かけがいのない大切な人。


もちろん、美紅さんや智兄もそう。


みんなみんな、私のことを支えてくれた。


凄く心強かった。


私はリクさんから離れるとニコッと笑った。


「Kaiiさーん!次出番でーす!!」


「はーい!!今行きます!!」


そう。


プロになって、私の芸名は「Kaii」にした。


魁音から名前をちょっとだけ借りたの。


だって、私がプロになれたのは魁音がいたから。


魁音と2人で1つだから。


ここに魁音がいなくても私はいつも魁音と一緒。


そう思って今までやって来た。


今日だって、それは同じ。


だから、私がステージに立つ時はいつも、