リクさんは心配で心配でしょうがないんだろうけど、美紅さんはいつも通りパワフルで。


なんだかんだ仲のいいふたりだけど。


「あれ?智兄、今日彼女さんは?」


「ん?あぁ、俺がこっちのステージ行くっていったら私はあっち行くーって行っちゃった。」


「え!?追いかけなかったの?」


「え?だって、雫の方を見に来たんでしょ?」


「「「・・・・・・これだから天然は。」」」


智兄も何ヶ月か前、彼女ができた。


優しくてふわふわしてて、the女の子って感じの。


でも怒るときは美紅さんのくらい怖い。


1回だけ会ったことがあるけど、2人は周りから見てもお似合いのカップル。


「それより雫、準備しなくていいのか?」


リクさんが周りをキョロキョロしながら見ている。


「うん。大丈夫。昨日リハーサルしたから。・・・・・・・みんな、見ててね。私のこと。」


「当たり前よ。・・・・頑張れ。雫。」


美紅さんが私の肩をポンッと叩く。


「ありがとう。美紅さん。」