俺はお前が智兄って呼ぶ声が聞こえなくなって寂しい。


お前がいたから俺は頑張んなきゃって思ったんだ。


だから、俺が特別凄いわけでもないんだよ。


俺はギターに打ち込める魁音が羨ましかった。


何か一つのことをずっとやるって難しいんだからな。


お前は俺を自慢だっていうけど、俺はお前が自慢だ。


自慢の弟だよ。


いつも人の心配ばっかりしやがって。


幸せになれとか、お前カッコイイことばっかり書いてんな。


雫のことも任せろ。


俺はベンチから立ち上がってまた病院に向かって歩く。


そしてスマホを取り出して雫に電話する。


・・・・・・・多分泣いてくるな。


魁音が死んだってしか言わなかったし。



仕方ない。


お兄ちゃんが慰めてやろうじゃないか。


魁音。


お前も幸せになれ。