羽をくれた君へ。

智兄が病室を出ていく。


と同時に、俺の目から涙が零れた。


あーあ、俺はみんなにそんな顔しかさせてやれない。


智兄。


俺もっと一緒にやりたいことあったんだよ。


サッカーも野球もバスケも、釣りもゲームも、智兄みたいに色々やりたかった。


俺は涙を拭ってノートを破る。


智兄に手紙を書いた。


手紙って好きじゃないんだけど。


ましてや俺が死ぬのに手紙だけ残すとまた悲しむじゃん。


智兄は優しいから。


でも、これだけは許してほしい。


普段言えなかったことを手紙にするから。



そして、智兄の手紙を書き終わると俺は美紅さんとリクにも書くことにした。


2人にたくさんの感謝の気持ちを。


その時ふと雫の言葉が思い出される。


「リクさんにも言えばいいのに。絶対喜ぶと思うけどなー。」


めっちゃ恥ずかしいわ!


でも、


最後くらい言ってもいいかな・・・・・・


紙の1番端に小さく書いた。


3人分書いたところで座っているのが辛くなってきた。


雫のは後で書こう。