今はこれが私の精一杯。


魁音は私を見て固まったまま動かない。


でも、次の瞬間私の腕を引っ張って抱き寄せた。


私はパニック状態。


「・・・・・・・魁音?」


「・・・・・・・雫。雫に言われる言葉が何より嬉しい。・・・・・・・恥ずかしいから1回しか言わない。・・・・・・・・・・雫は俺の希望だよ。」


私は何も言わずに頷いた。


だって、喋ったら涙が出そうなんだもん。


魁音。


魁音。


大好きだよ。


でもね、今はただこうやって抱きしめてくれるだけで幸せなの。


私も魁音の背中に手を回した。


「・・・・・最高の日になった。」


「うん。私も。」


魁音の本当の気持ちを聞けて、1日中楽しんで、ネックレスも買ってもらって。


忘れられない思い出。


今までで1番楽しかったってくらい楽しかった。


魁音といられたから。


でもね。



私はまだ気づかなかったんだ。



君が、


隠していた秘密に。


幸せすぎて、



予想もしてなかった。



君が、いなくなるなんて。