魁音が私の肩を引き寄せた。


「はい、撮るよ。」


カシャッ


「ありがとう。魁音にも送るね。」


「うん。・・・・じゃあ、そろそろ行きますか。俺の行きたいところ。」


「うん。行こっ!」


「雫。はい。」


差し出された魁音の手。


「寒いんだろ?俺の手あったかいから。」


そう言われて手を繋ぐ。


「ひゃっ!!魁音ー、どこがあったかいのー?私と変わらないけどー。」


「だーまされた!・・・・繋いでればあったかくなるよ。」


さり気なく言う魁音。


魁音はさらっとかっこいいこと言うからこっちが照れちゃう。


でも、繋がれた手はあったかい。


朝と同じバスに乗って魁音の行きたいところへ。


バスの中は外と違って暖かくて寝てしまいそうになる。


「雫?眠い?」


「う、ううん。・・・・眠くない。」


「ふふっ、いいよ。寝てて。着いたら起こすから。」


「本当?・・・・ありがと。」


私は魁音の肩にもたれかかって寝てしまった。