「それで使ってくれないから私が貰っちゃたの。」


「えっ!?無料!?」


「ううん。・・・・・・・・・約束したの。私がプロになって稼いだら、そのお金で返すって。」


「・・・・・・・・そうなんだ。いい約束じゃん。」


「うん。だから、魁音と一緒にこれからも歌っていきたいの!!」


魁音と歌えればいいの。


それだけだいいの。


魁音は笑って私に言った。


「じゃあ、早く俺のギターに追いつくくらい上手くなってよ?雫。」


「もちろん。任せて。」


「あっ、見えてきたー!水族館。」


水族館が見えると魁音は私を置いて走っていった。


「えっ!?ちょっと待ってよ!!それと、魁音走って大丈夫なのー!?」


「ぜーんぜん大丈夫ーーー!!ほら、雫早くーーー!!」


めっちゃはしゃいでるし!!


私は魁音の後を頑張って追いかける。


魁音は全然止まらなくて、入口まで走っていった。


ブーツで走りずらいのにーーー。


「もう!早いよ!!」


やっと入口につくと私は魁音の肩に手を置いて息を整える。


「ごめーん。ごめーん。」


「もう!!・・・・・はぁ。よし!!じゃあ、行こっか!!」