小さく、「好き。」と呟くとストンと心に響いた。


好きなんだ。


魁音のことが、好き。


考えれば考えるほど、恥ずかしくなってきた。


「雫?顔赤いけど。」


美紅さんに言われてハッとした。


「なんでもない!!」


危ない、危ない。


「そう?帰り暗いから気をつけてね。」


「あっ、はい!!」


そう言って、リュックを背負うとリクさんに呼び止められた。


「雫!・・・・わりぃんだけど、今日スタジオ泊まって行ってくれねぇか。俺と智哉と美紅と一緒に飲みに行くことにしたんだ。でも、今日魁音の家誰もいないらしいからさ。その、・・・・・・心配だろ?誰もいないと。」


「魁音ですか?」


「あぁ。退院したばっかりだし、いきなり1人っていうのはさ。だから、魁音にさっき言ったから、ほらスタジオの鍵。・・・よろしくな。」


「はい!!分かりました。」


片付けを終えると3人は仲良く飲みに行ってしまった。


私は1人スタジオに行こうとする魁音の後を追った。


「魁音!!一緒に行こっ!!」


「えっ!?どういうこと?」


「私も今日スタジオに泊まるの。魁音もでしょ?だから行こ!」