「なっ!?笑うことないだろ!?・・・・もういい。ほら、近くによって。」


身長差がある私達。


魁音が私の背に合わせるように屈んでくれた。


いつもは私の上から聞こえる声。


でも今は横から聞こえる。


ちょっとだけドキッとした。


魁音は私の肩を引き寄せて片手でスマホを持つ。


カメラに写る私達の姿。


あっ!


パシャッ


カメラに写った魁音は今日1番素敵な笑顔だった。


「ありがとう。雫にも後で送っておくね。」


「ううん。こっちこそありがとう。・・・魁音。」


「ん?」


「・・・・・・・ううん。なんでもない。」


「そっ?じゃあ、寒いし中に入ろ。」


「うん。」


本当に、たった今気づいた気持ち。


言いそうになったけど堪えた。


だって、言ったらどうなるのかな?


・・・・・・・・・・魁音のことが、好きだなんて。


思い返せば、今までだって色々魁音のことを気にしている自分がいたんだ。


でもそれは友達としてで、恋だとは思わなかった。


今、友達とは違う、心がドキドキして落ち着かない気持ち。


多分、恋だって。


直感で思った。