淳太君はあたしの手をそっと握る。 こんな時なのに、ピリリと甘い電流が流れる。 「だって俺、昔から桃華が好きだって言っていたから。 結婚するなら桃華しかいねぇって」 「……え!?」 「だから桃華……」 淳太君はあたしの肩を抱き、くるりと自分に向き合わせる。 あたしの前には大好きな淳太君の顔があって、そのまっすぐな瞳と優しげに上がった唇にやられてしまって、ようやく落ち着いた鼓動が再び速くなる。