そんなのろけたあたしに、禍が降りかかる。

昨日は荒れ狂っていた赤木さんだが、今日はやたらご機嫌で、



「藤井さん、ご機嫌いかがですか?」



なんて言って、コーヒーを持ってくる。

差し出されたコーヒーを断れずいただくが、正直コーヒーは苦手だ。

味覚がお子様のあたしは、コーヒーよりも甘いカフェオレのほうが好きなのだ。

あまりの苦さに顔を歪めたあたしに、赤木さんは衝撃的な言葉を吐いた。





「昨日偶然君のご両親を見かけてね。

挨拶しておいた」





……は?

挨拶?




嫌な予感がする。

固まるあたしとは逆に、赤木さんは自慢げに話を続けた。