あたしは淳太君に見惚れていた。

長めのワックスで散らした髪に、スーツにネクタイ。

頬杖をつきながら真剣な顔でパソコンを見ている。

そこにはつらつらと英語の文書が見えていた。

淳太君は甘くてかっこいい上に知的だ。

いじめっ子という点を除けば、他に欠点なんて見当たらない。





淳太君があたしの視線に気付き、



「藤井、どうしたんだ?」



あたしに聞く。




「いっ……いえっ!

なんでもありません」




真っ赤な顔で慌てて前を向いた。




ほら、あたしだけがドキドキしているんだから!