教室では、大規模・大人数の魔法試用は禁止されているため、
燐たちは第一演習室に来ていた。
「それでは今日はこれをします。
光に隠れし影よ、その姿を現し、我を守れ
シャドウプロクテル 」
アミラ先生は神級の魔法をつかった。
本来、魔法を使うには唱詠というものがある。
もちろん、下級~神級の魔法まで。
だが、ここは才華龍学院。世界屈指の学校だ。
ここの生徒は最上級魔法までは無唱詠で魔法を発動させることができる。
さらに、Aクラスにもなれば一部の神級魔法は唱詠しなくても使える。
シャドウプロクテル……
学院では、一部の人は使えない禁止魔法の1つだ。
使用可能者は
教師、中等部のAクラス~高等部のBクラスの生徒、
そして、燐のように闇属性を得意とし一定の闇魔法を完璧に使いこなす生徒。
これは、その試験に受かれば初等部の生徒でも使える魔法だ。
「今日はこの魔法ね。
アーミャは光属性が得意みたいだから難しいかもしれないわね。」
名指しを受けたアーミャは あはは と苦笑い。
まだ、アーミャは使えるが中には全く合わず使えない人もいる。
そういった人は、対闇魔法の科目を取っているだろう。
「無理はしてはいけませんよ、
命に関わることですから。
それでは、各班に別れてやりましょう」
アミラ先生の合図でそれぞれの班に別れた。
「シャドウプロクテル!」
燐は唱詠することなく容易く魔法を使った。
すると、燐の周りを黒の影がおおう。
「すごいなぁ」
堺人は おお と口をひらく。
「いつ見てもきれいな魔法だね、燐」
いつもの丁寧な口調ではないアミラ先生が来た。
「ありがとうございます」
燐も言葉は丁寧だが、声音はゆったりとしている。
「確か、この魔法を使いこなしたのは8才だったかな?」
アミラは苦笑しながら言った。
「先生」
燐はため息をつきながらアミラ先生を少し睨む。
「おっと、これは失礼、クス」
アミラはわざとらしくあやまる。
燐はまたため息をついた。
「??」
堺人たちは、何がなんだかよくわからず首をかしげた。