夏希『戦闘不能により、鈴鐘選手の勝利!
しかし、一瞬で終わってしまいましたね。
しかも剣術二刀流と並行して試合を行っている鈴鐘選手ですが疲れが見えませんね』
瑠璃『そうですね。次は剣術二刀流の3回戦です!楽しみですね!』
実況の2人が会話をしているうちに燐は既に移動していた。
先に進めば自然と試合と試合の間の時間が狭くなっていく。
燐の場合、会場を移動しなければならないため時間がそうなく、会場に着いたら即試合となっていた。
「あっ、カインが試合してる。」
外にある、魔法で作られた液晶画面には銃部門に出場しているカインが映っていた。
「あっ、ほんとだ。
カインは今の試合で勝てばブロック準決勝だね。」
堺人は目だけ液晶画面に釘つけになって試合を見る。
丁度、試合の中盤当たりだろうか。
カインは余裕の表情であるが、相手は息が若干上がっていた。
(これなら、カインは勝つ...)
長年の付き合いからかこの様子を見て堺人はそう思った。
カインの表情を見ただけで分かってしまいそうだ。
〜・〜・〜・〜
「うーん、やっぱりこの国の魔法師は強いな。
魔法だけだったら負けないと思うけどやっぱり武器が絡むと違うよなー」
カインは独り言のような語りかけているような呟きをする。
カインが両手に持つのは、神級契約武器であるスヴァローグ。
銃の中では最高位であるスヴァローグをクルクルと回しながらカインは相手をじっくり見ていた。
最初は威勢がよかった相手だが、今では息が上がり疲れているのが目に見えて分かる。
銃は自分の魔力を弾丸とするため、ずっと使っていればいずれ魔力が尽きてしまう。
つまり、魔力が多い方が有利になる。
カインは相手よりも多くの魔力を使っているはずが相手が先に疲れたしまった。
今はその状態であった。
瑠璃『流石、クーイ国の王子!
魔力の量が半端ないですね!』
会場からは歓声が上がる。
自国の者では無いはずなのだが、カイン側の歓声が大きかった。
光国は強い者が大好きで、クーイ国の王子だと尚更だ。
王子がまさかこの大会に出場するとは誰も思っていなかったことのため思った以上に盛り上がっていた。
「さて、そろそろ終わりにしよか
輝火滅鳥 (こうかめっちょう)」
カインは相手に向けて無数の赤く輝く鳥の姿をした弾丸を撃った。
いや、赤い弾丸が炎をまとった鳥に変化し相手を襲っているというのが正しいだろうか。
「はぁ、はぁ、くそっ!」
息をあげながら男は水色の拳銃二丁から水の弾丸が撃たれ、その弾が龍へと姿を変えた。
ジュウ...
という音と共に2つは相殺して消えていく。
だが、カインの弾丸が多すぎて男の弾丸が間に合っていなかった。
「ぐっ...うあぁぁ」
鳥の弾丸が押し寄せて男はどんどん飲み込まれて行き、鳥の弾丸たちは消えた。
全て消えると、制服が所々焦げた男が倒れていた。
夏希『戦闘不能により、カイン様の勝利!
流石、クーイ国の王子!容赦のない赤い弾丸の雨が降りましたね!
えー、これにより今日の銃部門の競技を終了致します。
現在、試合が行われている部門は
剣術二刀流、ポールウェポンの2つとなりました。
剣術二刀流はこの後すぐ行われます。
会場を移動される方はお早めにお願いします。』
夏希の実況が終了した所で液晶画面はそれぞれの都市の紋章の画面に変わった。
一旦、中継が途絶えたのだろう。
「燐!頑張れ!
どうやら、燐が本気みたいだから。」
堺人は液晶画面から燐に視線を変えた。
燐は表情に出ているだろうか? なんて思いながら頷いた。
「うん。もちろん勝ってくるよ。
あの子とはまた闘いたかったから!」
燐は珍しく子供のようにはしゃぐような笑みを見せた。
それだけの相手のようだ。
「武器はどうするの?
相手が相手だし、天羽々斬は難しいんじゃ...」
堺人は控え室を出て燐に問いかけた。
圭も同じことを思っていたのだろう、目線をこちらに向けていた。
「もちろん、神級契約武器を使うよ。
本当はこの大会で使うつもりは無かったんだけど...ね。」
燐は苦笑いであった。
人に自分のことを示したがらない燐は目立つことはあまりしたくはないのが本音だ。
だが、燐とて人間だ。
感情はもちろんあるのだから、本気で闘い人なんているに決まっている。
「変形の双可を使うのか?」
圭が神級と聞いて思いついたのが変形の双可であった。
本当は神級ではなく禁級なのだが、それを知るのはグリムズと堺人達だけである。
必要以上に教える義理もないため燐はスルーする。
「いえ。変形の双可では無いです。」
堺人も変形の双可だと思っていたため、驚いていた。
なにより、変形の双可などの他にまだ神級契約武器を隠し持っていたことに驚いていた。
「まぁ。見てのお楽しみと言うことで、
行ってきます!」
燐は手を振ってフィールドに向かった。
堺人と圭は取り残させる状態になったが、なんとか 行ってらっしゃい と言えた。
「まったく、燐には驚かされらことばかりだ」
圭はため息をつき、堺人は圭の言葉に同意した。



