〜・〜・〜・〜
「っ...!」
燐と澪の対決を観客から見ていた京子は息を飲んだ。
(力が違いすぎる...)
正直そう思った。
そして、澪との対戦でそれほど力を使っていないところだ。
中学生なのだからもっと実力が伸びるに違いない。
「これは...予想外に成長してますね。
まぁ、あの時も力が違いすぎていましたが」
京子と同じく弓美子も燐を見て戦慄していた。
(...!)
闘いが終わり、燐はこちらを見ていた。
京子と視線がバッチリ合ったところでふと燐が笑った。
笑ったというより、ニヤッと口角が少し上がるぐらいだろうか。
「...あれだけでも戦慄してしまいそうだわ。
やっぱり怖いわね...あの子と闘うのは...」
京子はそうは言っているが声からして心から恐れているようには感じなかった。
「そうは言ってますけど...口角が上がってますよ?」
弓美子は クスッ と苦笑しながら京子を眺めていた。
「あら、そうかしら?」
京子はそれだけを言い、剣術二刀流の会場に戻った。
〜・〜・〜・〜
夏希『おっ!千上院選手の一撃が通った!
相手はどうでしょう...
倒れてしまいました!...戦闘不能により千上院 京子選手の勝利です!』
燐は控え室を出てフィールドに向かっていた。
ここは、選手のみ通る道なため堺人たちはいない。
明るい出入口に1つの影があった。
燐はそちらに目を上げると京子がこちらに歩いて来ていた。
「勝ちましたよ。」
「...知ってる。私も勝つ。」
2人が交差するときそんな会話があった。
2人とも次の戦いを楽しみにしているのだ。
こんな所でへばっては居られない。
燐は振り返ることなくフィールドに入り、実況の人が相手の名前を呼び入ってくる。
夏希『それでは、試合開始です!』
そう言われた瞬間だった。
「...え?」
相手のこの呟きが最後で気を失ってしまった。
よく見ると相手の隣に燐が立っていた。
天羽々斬を両手に持ち、片方は相手の首筋に当てられていた。
もし、フィールドで無かったら首筋から血が吹き上げていたかもしれない。
瑠璃『えっと......
戦闘不能...で鈴鐘選手の勝利...』
なんまりの勝負の速さに瑠璃はポカーンとしたまま言葉を繋げた。
もちろん、会場も シーン としていた。
そんな中、燐は何も無かったかのようにさっさと控え室に向かった。
「流石だね、やっぱり...」
控え室に戻ると、もちろん堺人と圭が待っていた。
さっきの試合が試合なため堺人も言葉が出てこない。
瞬殺とはいえ、試合時間は1秒あるかないかだ。
そんなことはこの試合でも今まで無かっただろう。
「...うん、まあ。
こんな所で体力使いたくないなって思って。
剣術二刀流の次の試合で本気出したいし。
そのための体力温存。」
燐はいつもより無表情であまり言葉に感情が無かった。
(結構、集中してるな...次の対戦相手は千上の生徒会長か)
圭は燐の様子を見ながらプログラムを見る。
次の相手は今まで闘った人たちよりも実力は高いだろう。
「鈴鐘、次の試合もさっきみたいに体力温存できるか?」
燐は コクッ と頷いた。
「よし、ポールウェポンの次の相手は
読都市代表 神乃宮高校の3年生だ。
昨年も出てるからこいつは知ってるな」
圭は昨年の選手が記されたものが液晶画面に映し出される。
だが、燐はそれを見なかった。
「大丈夫です。今これを見たらトレーニング出来ないんで」
燐の言葉が理解出来なかった堺人と圭はお互い首を傾けた。
だが、燐が控え室を出ていってしまったため聞くことが出来なかった。



