「集中しているな…流石学年1位」
圭は燐の様子に感心する。
大抵は全国代表選の出場回数が2回以上の人は緊張はあるものの落ち着いている。
だが、初登場となると緊張であたふたしている人がほとんどだ。
堺人もそれに入る。
負けたらどうしようとか相手強いよなとか様々な感情が溢れてくるだろう。
「まあ、こういったの昔やったことあるので…大会だったら堺人よりも多いかも」
燐は苦笑しながら画面を見ていた。
1回戦の2番目の人達がちょうど試合をしていたところだった。
(…やっぱり実力がある人だ…筋がいい)
燐は冷静に分析を始めていた。
毎回試合を見る度に分析をするものだから、アーミャや薬には飽きられている。
『燐のその分析するのもう癖だよね』
アーミャがため息をついている姿をふと思い出した。
「フフ…」
思わず口に出して笑ってしまった燐は はっ と堺人と圭の方を見るが気づいていないようだ。
(危ない…つい笑ってしまった。)
夏希『千上院 京子選手の勝利!
いやー強いですね。流石学園の生徒会長!』
燐の1個前の試合が終わったことに気がつき控え室を出てフィールドに向かった。
〜・〜・〜・〜
瑠璃『さぁ!続きましては…
華龍都市代表
才華龍学院 中等部1年 鈴鐘 燐 選手!』
夏希『対して、昨年3位入賞!
黒森都市代表
千上魔法学園 中等部3年 宮塚 マリン選手!
中等部同士の闘いになりますね!』
夏希は初出場の燐に期待の色を込めて言葉を発した。
それに気がついたのは、ライバルとして3年間戦ってきた瑠璃しか分からない。
夏希『それでは、試合開始です!』
夏希の合図とともにブザーが鳴った。
燐は悩むことなく天羽々斬を召喚した。
夏希『おお!この刀は天羽々斬!
こちらも最上級でありながら神級に匹敵しますね!』
(蜘夜さんみたいにものすごく強かったら出すけど...)
あまり賑やかにされても困るし、
なにより実力を見せて蜘蔬たちみたいに部隊や騎士団に誘われるのもめんどうだ。
(まぁ、次の対戦相手はそうは行かないけど)
と心の中で呟きながら相手を観察し始めた。
相手も最上級の武器だ。
「千上二天流、宮塚 マリン。参ります。」
相手は2振りの小刀を逆さに持ち、一気につめてきた。
「なっ...」
燐は思わず声が漏れた。
あまりにも動きが早く目で追いつくことが出来なかったからだ。
(予想外...魔法は使ったあとがあるから...)
燐はなんとか攻撃を避けながら相手の隙を見つけようとする。
(...難しいかな)
燐は仕方ない...と半ば諦めた感じに一旦落ち着くために天羽々斬を大きく横に振った。
マリンは刀で受け止めず後ろに飛んだ。
(よし...身体強化)
燐はマリンが後ろに飛んだ僅かな時間で自身の身体能力を上げた。
「...!強化しましたか。ですが私を捕えれます?」
マリンはさらに動きを早くして攻撃を仕掛ける。
だが、強化した燐はさっきとは違った。



