翌日

今日の個人部門は、
剣術二刀流、銃、 ポールウェポン、杖使用魔法
の4部門。

燐、カイン、蜘夜、アーミャ、神無月がそれぞれの部門で試合がある。

『全国代表選2日目が始まりました!

昨日は才華龍学院の中等部1年生がそれぞれの部門で見事に3回戦を突破しました!

今日はどのような闘いが見られるのでしょうか!』

夏希の声が響き渡る会場では昨日よりも人数が多かった。

昨日の中等部1年の連続勝利に大会に来ていなかった騎士団の団長や部隊の隊員たちが直接見に来たのだろう。

これまでにない賑わいがあった。

「ねぇ、あれってアルテーナ諸国の女王様じゃない?」

この大会では、光国の王、妃、王子、王女
クーイ国の王と妃、カインの1つ上の兄が見に来ている。

しかし、今日新たにアルテーナ諸国の王族が見にこられたため、観客席でざわついてもいた。

アルテーナ諸国の王族がいる理由は、この大会の後に光国とクーイ国、アルテーナ諸国の会議のためだ。

アルテーナ諸国の女王である、
エイミ・フラット・アルテーナは客室の一角でフィールドを眺めていた。

「ここはいい眺めだ。
ところで、大会で僅か13歳でトーナメントを勝ち進んでいる子がいるようだが。」

エイミは紅茶を優雅に飲むと、光国の王子…煌永に問う。

「ええ。
才華龍学院の中等部1年生2人が3回戦を突破しております。

才華龍学院の中等部1年生は6人いるようです。」

煌永は一国の女王相手に怯えや緊張することもせず堂々とした態度で答えた。

実は煌永はアルテーナ諸国で魔法を学び、その時の師が女王であるエイミであったのだ。

「そうか、良い人材がいるようだな
だが、その者たちを見誤るなよ煌永。

強き者はいつだって戦に出される。
幼い少年少女であってもだ。」

エイミはフィールドで試合をしている学生を見ているが、何処か果てしない何かを見ているような眼差しだ。

「陛下は見誤ったことがあるのですか?」

煌永はエイミのそんな眼差しを探る。
エイミは1度煌永を睨んだが、ため息をついた。

「ある。だろうな…
1つは鬼才とまで呼ばれた子を失ったこと、
もう1つは無実を証明する力が無かったことかな」

エイミはフィールドを見つめながら呟いた。

(もうあれから何年たったのやら…
元気にしてるだろうなリオウ...いや扇)

エイミはずっとフィールドの方向を見たままそれ以降は口を閉じてしまった。

〜・〜・〜・〜

試合が始まれば歓声は大きくなってきた。
そんな中、控え室にいた燐は目を瞑ったまま微動だにしていなかった。