「それで、僕たちに何のようが?」
移動した場所は燐たち才華龍学院の生徒が泊まっている棟の扇と獄の部屋。
盗聴されないように部屋には結界をはっている。
「……まずは自己紹介をするわ。
まぁ、知っていると思うけど 私は美鳳。
ここでは、李・美鳳 (リ・メイフォン)
ハーメルンの孤児たちの長をしてる。」
髪型は前と一緒だが、瞳は赤色で六芒星は描かれていない。
凛々しい顔立ちは高校生には見えない
「私は美鈴。李・美鈴 (リ・メイリン)だよ。
ハーメルンの孤児たちの長のお姉ちゃんをサポートしてるんだ。」
こちらも髪型は変わらないが赤い瞳に六芒星はない。
ニコッとした笑顔は天使のように可愛い。
「それで、何のようだ?」
堺人の代わりに獄が言った。
「よう……と言うわけではないのだけど。
呪いをうけたのでしょ?あなた」
美鳳は堺人をじっとみる。
呪いをうけた とは、おそらく燐(ダーインスレイヴ)が暴走したときにできた黒い膜に関することだ。
本来、黒い膜にふれると呪いを受ける。
堺人はカーシャ国の血を引いていたため助かったが普通は死んでいたかもしれない。
「私と美鈴は呪いの持ち主……
本来ならば呪いの持ち主は、呪いの祖と言われているダーインスレイヴに集まる。」
そう言うと獄を見た。
「あなたも呪いをもってる。」
美鳳が指差した人物は獄だった。
堺人は えっ と驚く。
なんせ、獄はアルカ島で修行していたときは普通に魔法を使っていたからだ。
呪いは1人1つ。
呪えば穴2つ、そのため魔法は使えない。
これが、呪いの掟のようなものだった。
「……よくわかったな。」
獄は薄く笑う。
美鈴は 当然だ と言いたげな表情であった。
「私と同系統だからわかるんだよ~」
美鈴は ニコッ と幼女のような笑みを獄にかえす。
「同系統?」
堺人は話についていけずに困惑する。
「そう。
呪いは呪いでも必ず1人1つで魔法が使えない…
というのはただ、この世界の人間が勝手に思いこんでいるだけ。」
そこで堺人はようやく理解した。
「呪いが1人1つというのはただ単にその系統が1番多くて私達みたいのが稀であり、
今までそれを隠し続けていたからだよ。」



