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『リオウ……忘れるでないぞ
お前は強い魔力を持っている。だが、全ては引き出されていない。
今からその力を引き出せばお前はこの国1の魔法師になるだろう。』
父はそういった。
そう言って私になにかをした。
薄暗い部屋に台の上に寝かせられ手首に鎖をつけられる。
『いやっ、いやあ』
涙で顔がぐちゃぐちゃになりながら、それを拒む。
それをすると何かを失いそうで、未来に何か支障がでるのではと、そんな予感が頭をよぎった。
「やめてぇぇえええー!」
叫ぶことしかできなかった。
side獄
「ぎ……おうぎ!」
「あっ」
俺の声で扇は目が覚めた。
目には涙、全身は汗でびしゃびしゃだ。
「大丈夫か?急に暴れだしたと思ったら叫ぶから
驚いたぞ、」
俺は安心した声で扇に腕をまわして抱くと、
扇は ごめん と謝って俺の胸の中で泣く。
「本当にこういうときは涙もろいな。
なんの夢を見たんだ?」
俺は 大丈夫だ というように背中をゆする。
「小さいときの……記憶…まっ魔力を強くするとか……なっ……なんか」
扇は言葉にできないでいた。
「分かった。
無理に思い出さなくていい。分かることだけを言えばいいよ」
優しい口調で言うと うん と頷いた扇。
こんな扇もかわいいのだけど心配になる。
落ち着いた扇は顔を洗いに部屋を出た。
(魔力を強く……ね。 そろそろつきるということか?)
俺は深く考えた。
最近の扇は元気がない。
体力というより、魔力がだ。
俺は燐ほどではないが少々の魔力なら感知できる。
一番近くにいる扇はとくに分かる。
色々と考えて前を向くと、
いつの間にか扇が目の前にいた。
「っ!!……びっくりした」
俺は目を見開き驚く。扇はクスッと笑う。
「なに、眉間にしわ寄せてるの?」
扇はのんきにいうものだから俺はため息をつく。
「本当に表情がころころ変わるなぁ」
「あー、なのかな?」
扇はよくわかっていないが俺や第三者から見るとそう思うだろうな。
だが、これは俺しかしらないことだ。
扇は普段は燐たちの知っているように明るく呑気なようで心配性、訓練などは厳しくしてる。
そのくせ、俺と2人のときはたまにこんな感じに泣いたりと弱い一面を見せるんだ。
周が死んだとき、一緒にいた夕凪の前で泣いたらしいがそれは他人のこと、
俺に見せるのは自分のことであって、ほとんどが過去にあったことだ。
「もう落ち着いたか?」
「うん。ごめんね、、また迷惑かけた」
こういうときの扇は弱い。つらそうな表情だ。
こういう顔はあまり見たくない。
扇の弱いところをたまに見るのはいいのだがな、、
「私、どうなるんだろうか。
水雫たちと契約してから精神が不安定だし。
魔力に何かいやなことが起こる前触れなのかもそれない。」
扇は部隊の中で禁級契約武器を多く持っている。
流石、俺の愛しい人……だが負担は大きい。
禁級契約武器は強力なだけあって精神を乗っ取られてしまったり、
暴発して物理的に体がはじけとんだりと
まぁ物騒なことにしかならない。
扇が情緒不安定になるのも分かるし、普段は全く変わらないのがすごい。
ある意味、尊敬する。
「そろそろ、引退かね」
扇は冗談混じりにそういってくる。
俺はそれに賛成だ。
扇が無理に任務をしてるといつか絶対壊れてしまう。
俺はそうなってほしくない。
ま、こんなに人間らしいことを考えるようになったのは扇のお陰だな。
できるだけ、扇に力をかしてやりたい。
それは俺の唯一のしてやりたいことだ。
「さきに寝な。ずっと側にいるから、大丈夫だ。」
一緒に寝ているがそれでも扇に安心してほしくていった。
案の定、扇は安心しきった表情で頷く。
そして、俺の手を握って目をつむった。
まるで子供だなっと思ったがこれまた可愛くてしょうがない。
いつまでもドキドキしっぱなしだ。
そろそろ、俺の心臓が持ちそうにないな。
そして、俺も目をつむった。



