「うわっ……びっくりした」
堺人はちょうど窓を背にしていたため、他の誰よりも驚いただろう。
「やっほ~!陽~陰~!」
アーミャは座ったまま手をふる。
陽はニカッと笑い、陰は無表情のまま手をふる。
対照的な2人は仲良く窓辺に座ったままだ。
「えーと、座る?」
燐はアーミャとの間を空けるが陽は首を横にふった。
「ううん、ここでいいならここにがいいかな」
「まぁ、座るのは別にいいけど…お尻痛くない?」
燐はそう言ったが 大丈夫 と陰が返した。
堺人は燐の方にづれて、陰と陽を輪の中に入れる。
「僕たちが侵入したときにあの、呪いを使う姉妹たちに見つかっちゃったんだ。」
陽は あはは と苦笑いだ。
それを燐とアーミャは珍しいと目を開いた。
「だげど、殺すことなく120人の子供たちがいる部屋に入ることができた。
強化と破壊の呪いを使った子
名を美鳳(メイフォン)
消滅の呪いを使った美鳳の血の繋がった妹
名を美鈴(メイリン)
この2人の顔は覚えてる?」
陽が質問すると全員頷いた。
それを確認した陽は陰をみた。陰は頷き、液晶画面を作る。
「これは、読都市の代表選の時の映像。」
そこには、茶髪の2つくくりの女性がトロフィーを受け取っている映像だった。
「えっ!」
「うそ……」
「この子達って」
茶髪の2つくくりの女性がトロフィーを受け取った次に、その小隊のメンバーが写し出された。
そこには制服姿だが、きりっとした表情の美鳳とほんわかな表情の美鈴の姿があった。
「まてよ、この2人学生してるのか!?」
突っ込みどころ満載だが、1番驚くのは学校の制服を着ていることだ。
「だけど、この制服見たことがないぞ……て、まさか」
柳はその映像を見ながら思い付いたのが、
「流煉魔法戦闘科学園校の……生徒?」
紅葉は首をかしげながら言った。
燐たちはそれぞれパートナーと目を合わせ まさか と陰と陽の方に顔を向けた。
「うん、そのまさか。
流煉魔法戦闘科学園校はハーメルンが創ったハーメルンにいる孤児達を閉じ込めるための」
「言わば 鳥籠 ということ」
陽は少し悲しげな表情でいい、陰はズバッと言葉にした。
鳥籠……と
一生出ることができず、言いなりになる小鳥達はその命がつきるまで鳥籠の中で生活しなければならないだろう。
流煉魔法戦闘科学園校は中等部、高等部、研究部、戦闘部とそれぞれ3年間、計12年間通わなければならない。
[研究部、戦闘部は言わば大学部のようなもの]
研究部では、いかに戦闘で効率よく動けるかなど理論を学び
戦闘部では、実際に依頼を受けて魔獣や暗殺者などと戦闘を行う。
ハーメルンの子供達のほとんどが高等部1年生の年齢。
高等部の上をつくることで卒業できないように、自由にさせないための鳥籠を創ったのだ。
「ハーメルンの孤児は中等部1年と高等部1年の年齢の子供、初等部6年の年齢の子供しかいない。
まぁ、統括しやすいためだろうけど初等部6年にあたる子供たちはハーメルンの拠点であるアジトで戦い方を叩き込まれているみたいだ。」
学校に閉じ込めておくことで、世間からはハーメルンの支配下にあるなんて思わないだろう。
「今回の都市代表になった小隊は
高等部1年の美鳳
中等部1年の美鈴
高等部1年の四葉 深夜(よつば みよ)
高等部1年の七星 充(ななほし みつる)
中等部1年のアグリ・スカーレット
高等部1年のリオネ・バイオレット
の6人。それぞれ、
紅姉妹(ホン・ジエメイ)、ナンバーズ、カラーズ
って呼ばれているらしい。
姉妹はそのまま瞳の色を表していてるよ。」
次々と情報が出てくるものだ。
と、柳はおもうのであった。



