紅の月、宵に。

「テメェ、鬼乱(きらん)に美影(みかげ)の情報渡しやがったな。」




目の前にいる男に、これでもかというくらいに睨まれる。




目の前の彼は、美影の総長、西嶋 辰(にしじま たつ)。




美影というのは、暴走族。
全国1位の暴走族、紅(くれない)の傘下だ。




鬼乱というのは、美影の敵。




「……何で私が。」




私は、木桜 宵(きざくら よい)。
美影の姫かって?いや、違う。




私は姫になった覚えも、仲間になった覚えもない。




「季音(きお)がそうやって言ってんだよ!」




木更津 季音(きさらづ きお)。
美影の姫。




つまり。
木更津が、私のせいで情報が漏れてると言ったと?




「……私、さっき初めて木更津さんに会ったんだけど。」




会った事もなかったのに、何故そんな事がわかるのだろうか。




そんな疑問が生じたとき。
木更津が、口を開いた。




「だ…だって、宵ちゃん、鬼乱の倉庫に出入りしてたじゃん!」




……は?
私が、鬼乱の倉庫に?




バカじゃないの?
誰を見て私だって言ってんの?




「……あのね、私、鬼乱の倉庫知らない。」




なのに、どうやって倉庫まで行くんだ。
と、いうか。




「……なんで私が、美影の情報なんて流さないといけないの?私に利益はあるの?」




美影の情報なんて、ハッキングすれば雑魚でも出てくる。




「っんだと!?テメェ、調子乗ってんじゃねぇぞ!!」