「あれ、ここの教室ドアが開いてますね」 「おかしいなぁ。昨日の見回りでは確かに鍵を・・・ん?何かあるな。教頭先生は先に下に行っててください」 何か、ある・・・? 「「ぁ」」 小さな二つの声と視線が重なった。 机の上にあるのはドーナツと、恐らく逃げ場をなくしたピンクの風船が天井にぶつかっているのだろう。 あるはずのないものがあったことに、神谷先生は気づいてしまったのだろうか。