放課後4時10分、校舎5階で君を待つ。



互いの距離が縮まるにつれて、心臓の音が加速する。静かなここでは、その音が相手に聞こえてしまうんじゃないかと思うほど。


見ない見ない。

軽く下を向いて、髪の毛で顔を少し隠す。

二人のスリッパの音だけが、微妙にずれながらそこに響く。



「・・・」

「・・・」


すれ違った瞬間、懐かしい香が鼻腔を擽った。

すれ違うだけなのにドキドキするなんて、馬鹿みたいだ。












二人は気づいていない。


意識してないフリをしながら、見ないように相手を意識してることに。


彼が彼女に視線を送ってることに。

彼女が彼に視線を送ってることに。


すれ違うたびに、全神経が互いに集中していることに。