「っは!?」 手をすりあわせて、寒そうに息を吐く健人。 過去に、終止符を打たなきゃ、いつまでたっても翔也を不安にさせたままだ。 きっと、翔也は気づいてたんだね。あたしの過去に。 それでも気づかないフリをしてくれてた優しさに、あたしはすがりついてた。 どんなにあたしが過去だと言おうと、不安になるのは当たり前だよね。 立ち止まって、はあ、と息を吐けば白いそれが静かに消えていった。 「あたしね、」 ―――――――健人のことが、好きだったんだ。