ただ風の鳴く方へ

導かれてみたかった




丹念に手入れした
風切り羽根を
左右に広げて
あとは
上空に飛び立つだけさ


海の上を
山の上を
雲の上を
見渡す限りの眩しさを


腹が減るまでは
空に溶けていられるから


風が淋しいと泣くなら
いつまでだって
ここに居てやるさ


あとは
地面に叩きつけられるだけだとしても




オマエが泣くなら
そばに居てやるさ







【#789  BLOW IN THE WIND】