「……っ」


誠也さんが苦しみに顔を歪める。何て事をしたんだって、自分がしたわけじゃないのにまるで自分のことのように出来るのが、誠也さんのいい所。


けれど、それと同時にすべて抱え込んでしまうことは、悪い所。


「あたしがひどい目に遭った時も、奏風はあたしを助けようとしてました。戦ってる奏風が、あたしにとっては最後でした。」


“明星!”


優しいけど力強い声で、あたしの名前を呼んだの。

けど、相手がかかって来たからそっちに行ったけど……一番に助けようとしてくれた、その優しさだけを残して、あたしをまた一人にした。


「誠也さん、そんなに苦しまないでください。もう、大丈夫ですから!」


ニコッと全力で笑ってみせると、驚いた顔をしたと思ったら、みんなが口を開けていた。



「みんな口空いてるよ?」



「やっとみれた」



直さんや千咲さんのその言葉に疑問しかなくて



「何をですか?」



なんて言ってみると、言ったんだ。