[完]その口、利けなくしてやるよ。



その後の話、3日後目を覚ました俺は、病院にいて。近所の人の中でも仲良くしてたおじさんが、いた。


「暁都くん……よかった……」


そのおじさんによると、刺されてからおそらく10分後くらいに、野菜のおすそ分けに家に来たとのこと。


しかし、物音もしない。おかしいと思ったら、玄関のドアは空いていて中に入ったらしい。


その時確信したんだと。


……玄関に、血の跡や包丁が落ちていたらしい。


中に入ると、血の海で。すぐに救急車を呼んだらしい。



「……こ……と…は」


「光都くんは、まだ目が覚めていないんだ。」


ふと、涙が次々溢れた。事実を知ったあの時も、離婚した時もなかなかった俺が、初めて泣いた。


「光都くんね、刺されたところが悪かったみたいなんだ。肺にも少し刃が届いていたみたいで、人工呼吸器を取り付けてる。意識がなくなったあとも、何故か肩を刺されたみたいで。……出血が…」