ー光都sideー


「……あたしは汚いんだよ…」


最後に俯いて、明星はそう言った。


その顔はすごく、悲しみと苦しさと憎しみに満ち溢れていた。


「……明星…明星は綺麗だよ」


俺がそう言えば、目を見開いて俺を見たあと、自傷気味に笑って首を横に振った。


「だって、……きい、たでしょ……っ」


声が震えてた。苦しいのと同時に、怖いんだ。

過去を知ったことで、俺たちに裏切られるんじゃないか。そうしたら、またあの地獄のような日々が始まる。って。


「人の闇を知って、世の中の闇を知ったからそう思うかもしれないけど。…目がすごく綺麗だ。人の心の綺麗さは目に現れるから。」


明星は、出会った時から闇を抱えた目をしていた。けど、本当はすごく純粋で色素の薄い茶色の瞳は明星そのものを表しているようだった。