[完]その口、利けなくしてやるよ。



バイクでどっかれ連れ去られ、荷物と一緒にどっかへ置いてかれた。


しばらく何もする気も起きなくて、どこもかしこも痛いし、体力もかなり衰退してたから。


しばらくすると、1台、2台バイクが通った…と思ったら、「おい!どうした!」っていう声が聞こえた。


顔を見ると、すごいギョッとした顔のちゃらそうな男の人と、真面目そうな男の人があたしの顔を見ていた。


「っ!やっ!…来ないっ……で!」


震える体を止める術もなにもない。服もかなりボロボロだったのを見て、おかしいと思ったんだろう。誰かに電話をしていた。


それさえも怖くて、必死にどこかに逃げようとした時、


「待て。今から俺らの仲間の女のやつ来るから。何もしねえから安心しろ、な?」


真面目そうな人が、触らないように、そう言って着ていたパーカを掛けてくれた。