そう、それは、いつものおちゃらけた感じでなく、真剣な……族と戦う時のあの顔をしていた。


「明星。今のあなたにとって、奏風を失ったことは大きい。あたしもまさか…奏風がこの道……裏切るなんて、想定外だったから驚いてる」


「なあ?あたし、やっぱ人を信じちゃいけないのかな…?」


誰かを信じようとするたび、失う。


「っ……な、……っ苦しいんだっ、昔のことも、い、今のっ、こともっ……!」


誰かを好きだと思うたびに、離れていく。


「明星…人を信じちゃいけない人なんかいない。闇に呑まれて、道を見失ったらいけない。……あたしのせいで、苦しめてごめんなさい」


校長……嶺華はそう言って頭を下げた。