「おーい!!悠香ーー!!行くぞーー!!」


悠香の後ろで名前を呼んでいる背の高い男の子。


「・・・・・・・・えっ、・・・・・・颯十?」


聞いたことがないくらい低い声で話す東吾。



私は一瞬我に返って東吾の顔を見る。


歯を食いしばって、拳を震わせている東吾。


こんな東吾初めて見る。


「あっれー!?東吾じゃん!!ここで会うとかびっくりしたわー!!全然連絡ないから寂しかったぜー!!」


馴れ馴れしく東吾の肩をバシバシ叩く颯十とかいう人。


東吾の顔は曇ったまま。


「もしかして颯十の友達?すっごい偶然だね!!私達も中学の時同じチームだったんだー!」


楽しそうに颯十っていう人に話す悠香。


「そーなのか!!俺も東吾と中学同じで、結構2人で注目されてたんだぜ!!」


私はこれ以上東吾の顔が暗くなるのを見たくなくて慌てて話を変える。


「あの、もしかして2人ってさっきの高校のチームなの?」


「うん!!そうだよー!!惜しかったよねー、最後の試合。」