そう言うと東吾は嬉しそうな顔をした。


「・・・・良かった。由紀、俺があげたメッセージ忘れたのかと思った。」


「メッセージ?ってこれ?」


リストバンドをめくって見せる。


「そう。・・・・・でも由紀のことだから結局続けるんだろうなとは思ったけど。」


東吾が私のリストバンドを見て言った。


[越える]


そうだった。


毎日つけてたのに忘れてた。


東吾がくれた三文字。


「・・・・・そうだね。越えてないのに辞めるのも後味悪いよね。」


「まーな。・・・・・俺もあいつを越えたいからな。」


「じゃあお互い頑張ろうね。越えられるように。・・・・あっ!でも、楽しむのが1番だよ!!」


私が意気込んで言うと東吾が笑い出した。


「それ、由紀が言うの?楽しめって言ったの俺だけど?」


「そうだけど!!でも、大切なことじゃん?」


「まーな。・・・よし、帰るか。」