私はこっそり体育館の外に出て真由の近くにドリンクを置いて中に戻った。


中では東吾達がシュート練をしていた。


東吾の放ったボールは綺麗な円を描いてシュッとリングに吸い込まれる。


うん。


いつも通りの東吾だ。


女子のみんなはクールダウンでストレッチや、片付けをしている。


私はマネージャーと一緒に男子の所で準備する。


アップが終わって男子のみんなが来る。


私は1人1人にタオルドリンクを渡す。


私のところへ東吾が来ると、


「お疲れ様。はい、これ。」


「おぉ。さんきゅ。」


いつも通りの東吾。


私が緊張しちゃいけない。


一番怖いのは本当は東吾なんだから。


久しぶりにライバルと戦うのは緊張するはず。


だから、私が不安そうな顔をしちゃいけない。


そして、笛がピーッとなると東吾はタオルを私に渡して、


「見てて。大丈夫だから。」


そう言って歩いていく。


全く。


かっこいいことさらっと言うんだから。