「何で由紀が謝んの?別に悪いことしてないじゃん。」


「私が、ちゃんと東吾や奈乃香の話を聞いていれば良かったんだよ。・・・・・・・心配してくれたのに私は無視して。・・・・・自分の身体も管理できないなんて、情けないっ。悔しいっ。・・・・ぅ、悔しいよ、東吾っ!!」


泣きながら東吾に訴える私。


こんなに惨めなことは今までしたことが無い。


あぁ、本当に何やってるんだろう。


東吾は何も言わずに私の頭を撫でて、ぎゅっと抱きしめてくれた。


私は東吾の腕の中でずっと泣いた。


声を押し殺してずっと涙を流した。


何分かしていつものバス停に降りると、また東吾は私をおんぶして家まで送ってくれた。


「ありがとう。・・・・・たくさん泣いてごめん。」


「俺で良かったらいつでも話聞くから。電話でもメールでもして来い。」


「・・・・ん。じゃあ、また明日。」


「あぁ。また明日。」


最後まで東吾は表情を変えなかった。


でも、何も言わないでいてくれて良かった。


きっと混乱して東吾に八つ当たりしてしまうと思うから。