呆れ気味に言われた。


青年は、これ程出血していて――いくら自分が治療行為――それこそ『手当』――をしたからと言っても、致死量程度の出血をしていて騒げる真紅に呆れているのだ。


「おい。お前……」


「何⁉ 何してんの今⁉」


「……元気だな」
 

青年に質問も許さない程元気のようだ。
 

青年は取りあえず、治した傷痕に手を触れさせてみた。


傷痕は跡形もない。あとは、流れ出た血をどうするか――


「ひぎゃっ!」


「痛っ」
 

……裏拳を喰らった……。
 

傷を見るためにちょうど屈めていた右側頭部。


……狙っただろう、お前……。