好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】



「黎に……彼女いる……いたら………私、……」


「うん。言ってみ?」


「彼女さんに、申し訳ない……」


「どうして?」


「こんな、優しくされたら………だめってわかっても………れいの、こと、………すきになっちゃうじゃん……」


「―――」


「だから、そういう人がいるんだったらもう私のこと……


「それって」
 

黎の両手が真紅の頬を包む。視線が重なる。


「なりかけてくれているってこと?」