月の夜、命を落としかけていた桜木真紅(さくらぎ まこ)を助けてくれたのは、銀色の瞳をした吸血鬼、小埜黎(おの れい)。


真紅に、血を与える主にならないかと言って来た黎だけど、その夜のうちに姿を消してしまう。


同じ苗字だからという理由でよく構ってくる、学校の王子様と騒がれる桜城架(さくらぎ かける)との仲を邪推された真紅は、「彼氏がいる」と言ってしまう。


入院している親友、梨実海雨(なしみ みう)のところへ駆けこんだ真紅は、この病院のスタッフとして黎がいると知る。


探しに飛び出した真紅は黎と再会する。


突然現れた従兄、影小路黒藤(かげのこうじ くろと)によって、実は真紅は陰陽師・影小路家の娘で、退鬼師(たいきし)の血も引いていると知らされる。


退鬼師の血は、鬼を、吸血鬼を滅ぼすもの。


泣きながらも黎といることを諦めきれない真紅は、黎と生きられる道を探す。


真紅が陰陽師としての力を取り戻したとき、黎の中に流れる真紅の血が滅ぼしたのは、黎の中の鬼としての血だけだった。


二人は、一緒に生きることが出来る命になった。